イソトレチノイン

美容皮膚科

イソトレチノインとは

ニキビ治療薬(商品名:アクネトレント)はイソトレチノインというビタミンAの一種で、皮脂の分泌を抑える作用、毛穴の詰まりや炎症を改善します。アクネ菌に対する抗菌作用、抗炎症作用に優れているため、重症のニキビに対して効果があります。強力な薬であるため、医師の指導の下で使用し、定期的な血液検査が求められます。

※イソトレチノインの商品名はアキュテイン、ロアキュタンなど複数あり、いずれも同じイソトレチノインを主成分とする薬です。

海外では、重症のニキビ治療に有効な薬剤として認知されていますが、日本では厚生労働省の承認が取れていないため、保険が適応されません。

このような方におすすめ(適応)

  • 結節性ニキビや嚢胞性ニキビなど、重症のニキビで悩んでいる方
  • 抗生物質、局所治療、ホルモン治療など、他の治療法が効果を示さなかった方
  • : 治療を続けてもニキビが繰り返し発生する方
  • ニキビによって強い精神的なストレスや苦痛、自己意識の低下を感じている方

繰り返しニキビができる原因

1. ホルモンの変動

  • 思春期: 思春期におけるホルモンの変動が皮脂の過剰分泌を引き起こし、毛穴が詰まりやすくなります。
  • 月経周期: 女性の月経周期に伴うホルモンの変動もニキビの原因となります。
  • 妊娠や更年期: 妊娠や更年期に伴うホルモンの変動も影響を及ぼします。

2. 皮脂の過剰分泌

  • 遺伝的要因やストレス、ホルモンバランスの乱れが皮脂腺を刺激し、過剰な皮脂が毛穴を詰まらせます。

3. 毛穴の詰まり

  • 死んだ皮膚細胞や余分な皮脂が毛穴に詰まり、ニキビの原因となることがあります。

4. 細菌の増殖

  • ニキビ菌(アクネ菌)が毛穴の詰まり部分で増殖し、炎症を引き起こします。

5. 不適切なスキンケア

  • 過剰な洗顔や刺激の強いスキンケア製品の使用は、皮膚のバリア機能を損ない、ニキビの発生を助長することがあります。

6. 食生活

  • 高糖質・高脂肪の食事、特に加工食品や乳製品が多い食生活は、ニキビの発生に影響を与えることがあります。

7. ストレス

  • ストレスはホルモンバランスを乱し、皮脂の分泌を増加させることがあります。

8. 遺伝的要因

  • 家族にニキビができやすい人がいる場合、遺伝的にニキビができやすい傾向があるかもしれません。

9. 環境要因

  • 高温多湿の環境や、長時間の化粧品使用、スポーツや労働による汗と油の蓄積などもニキビの原因となります。

10. 体調不良や薬の副作用

  • 特定の薬物(ステロイドやホルモン剤など)の副作用や、体調不良による免疫力の低下もニキビの原因となることがあります。

イソトレチノインの効果

  • 皮脂分泌の抑制: 皮脂腺の活動を減少させ、過剰な皮脂の生成を抑えます。これにより、毛穴の詰まりを防ぎます。
  • 角質層のターンオーバー促進: 皮膚の角質層の新陳代謝を促し、毛穴の詰まりを改善します。
  • 抗炎症作用: 皮膚の炎症を軽減し、赤みや腫れを抑えます。
  • 抗菌作用: ニキビの原因となる細菌の増殖を抑制し、ニキビの発生を減少させます。

イソトレチノインの治療方法

1日1錠(20mg)を飲むことからスタートします。

可能であれば、1クール16~20週間内服を続けていただくことを推奨しています。イソトレチノインは、内服をやめても改善効果が続くことがほとんどですが、ニキビが再発するようなら、症状を診ながら再度内服を行います。
 
難治性ニキビの患者さんの場合でも、治療を繰り返すことで、ニキビが気にならない状態へと改善されます。

イソトレチノイン治療の流れ

初診と評価

  • 医師の診断: 初診で医師が患者のニキビの重症度や治療歴を評価し、イソトレチノインの適応を判断します。
  • 血液検査: 治療開始前に肝機能や脂質レベルをチェックするための血液検査が行われます。

処方と用量

  • 個別の用量設定: 患者の体重や症状に応じて適切な用量が処方されます。一般的には体重1kgあたり0.5mgから1mgの範囲で設定されます。
  • 初期用量: 最初は低用量から開始し、必要に応じて徐々に増量します。

服用方法

  • 経口服用: イソトレチノインは経口薬として、食事と一緒に服用することが推奨されます。食事と共に摂ることで吸収が良くなります。
  • 定期的な服用: 毎日同じ時間に服用し、治療計画に従います。通常、治療期間は16〜24週間程度です。

定期的なフォローアップ

  • 定期診察: 治療中は定期的に医師の診察を受け、治療効果や副作用の有無を確認します。
  • 継続的な血液検査: 治療中も定期的に血液検査を行い、肝機能や脂質レベルをモニタリングします。

副作用の管理

  • 副作用の対策: 乾燥肌や唇の乾燥には保湿剤を使用し、ドライアイには人工涙液を使用します。必要に応じて副作用を軽減するための対策を講じます。
  • 妊娠の避妊: 女性は治療中および治療終了後一定期間は確実な避妊を行います。イソトレチノインは胎児に重大な奇形を引き起こす可能性があるためです。

治療終了後

  • アフターケア: 治療終了後も一部の副作用が続くことがあるため、アフターケアを続けます。
  • 再発防止: ニキビの再発を防ぐために、必要に応じてメンテナンス治療を行います。

イソトレチノインの治療は強力で効果的ですが、副作用も多いため、必ず医師の指導と監督の下で行うことが重要です。

イソトレチノインのよくある質問

1.イソトレチノインとは何ですか?

  • イソトレチノインは、重症のニキビ治療に用いられるビタミンA誘導体の経口薬です。皮脂の分泌を抑え、毛穴の詰まりや炎症を改善する効果があります。

2.どのようにイソトレチノインを服用しますか?

  • 通常、食事と一緒に毎日服用します。医師の指示に従い、定期的に服用することが重要です。

3.治療期間はどれくらいですか?

  • 一般的な治療期間は16〜24週間程度ですが、個人の症状や反応によって異なる場合があります。

4.イソトレチノインの副作用にはどのようなものがありますか?

  • 皮膚や唇の乾燥、ドライアイ、筋肉痛、関節痛、肝機能障害、脂質異常などがあります。副作用が現れた場合は、医師に相談してください。

5.妊娠中や授乳中に使用できますか?

  • 使用できません。イソトレチノインは胎児に重大な奇形を引き起こす可能性があるため、妊娠中や授乳中の使用は禁止されています。治療中および治療終了後一定期間は避妊が必須です。

6.イソトレチノインを使用する際に注意すべきことは何ですか?

  • 日焼けを避けるために日焼け止めを使用し、乾燥肌対策として保湿剤を使用します。また、定期的な血液検査を行い、医師の指示に従って治療を進めることが重要です。

7.イソトレチノインはどのような場合に使用されますか?

  • 重症の結節性ニキビや嚢胞性ニキビに対して使用されます。また、他の治療法が効果を示さない中等度のニキビにも処方されることがあります。

8.治療を中止した後、ニキビは再発しますか?

  • イソトレチノインは再発を防ぐ効果もありますが、個人差があります。治療終了後も再発防止のためのメンテナンス治療が必要な場合があります。

9.どのくらいの期間で効果が見られますか?

  • 効果が現れるまでには数週間から数ヶ月かかることがあります。治療を続けることが重要です。

イソトレチノインの使用を考えている場合や詳細な情報が必要な場合は、必ず医師に相談してください。

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