【たるみ】肌のたるみ予防で絶対にやってはいけない事5つ
みなさんこんにちは。美容外科医の土門駿也です。
今日は、皆さんがすごく関心を持っていることについてお話していきたいと思います。ズバリ顔のたるみについてです。よく聞くお声としては、「10年前に比べて老化した」「目の下がたるんできた」「まぶたがたるんできた」「フェイスラインがたるんできた」というご相談が多いです。老化を防ぐにはどうしたらいいですか?顔のたるみをどうにかしたい!というお悩みの声をかなり聞きます。例えば、スキンケアでどうにかなりませんか?マッサージでどうにかなりませんか?美顔器はどうですか?
…結論から言うと、老化やたるみは防げません!医学的に言うとなかなか難しいところです。ただ防ぐことはできないけれど、老化のスピードを遅らせることは可能です。老化を加速させる行動、肌のたるみを加速させる行動を医師として『やったらまずいんじゃないの?』という内容をお伝え出来ればと思います。これからお話しする行動をしなければ通常の老化で留まりますし、続けていれば老け顔まっしぐらです。たるむというのはいつの間にかまぶたが重く感じる、気づいたらほうれい線びっしり、目の下が疲れて見える、フェイスラインの崩れ、二重あごが出来る、ほっぺが下に落ちてくる、首のシワが増えて年を感じる、これはどれもたるみなんですね。やってはいけないことを知っておくのは個人的には良いと思います。
【やってはいけないこと】
① 日焼け
日焼けは絶対にしてはいけません。肌の天敵である紫外線はその波長の長さによって3種類に分けられています。現在人の肌にダメージを与えるとされているのはそのうちの2つです。太陽光の中にはUV-A・B・CがあってUV-Cは非常に毒性が高いもの、細胞のDNAを破壊する力が強い物質で、いわゆる発がん物質なのですが地球を覆うオゾン層で遮られるので通常地上へは届かないため気にしなくて大丈夫です。UV-Bはいわゆる日焼けの原因となるものでオゾン層を突き抜けて皮膚へ到達します。ですが皮膚の奥までは入らずに肌の表面を傷付けます。つまりシミやそばかすの原因になります。日傘である程度は防御可能ですね。シミやそばかすは表面の表皮レベルであれば皮膚のターンオーバーではがれていきますが、仮に残るようなシミが出来てもレーザーで取れば良いかってことなんですよね。1番厄介なのはUV-Aです。UV-Aは肌の奥まで到達し、真皮へダメージを与えます。真皮とはお肌の張りや弾力を支えている部分なのですが、例えるならばベッドのマットレス、真皮の70%を占めているのはコラーゲン、マットレスのスプリング部分、スプリングをしっかりつなぎ合わせるのがエラスチン、スポンジの役割をするのがヒアルロン酸なんですが、UV-Aはそのコラーゲンやエラスチンを破壊します。破壊されるだけならまたそこに新しい細胞が作られるから良いのですが、細胞毒性もあります。つまりコラーゲンやエラスチンを破壊するだけでなくコラーゲンやエラスチンを作る繊維芽細胞も破壊してしまいます。日焼けというのはUV-AもUV-Bもあるのですが、UV-Aのほうが怖いです。なぜかというと表皮はレーザーを当てるなどすれば何とかなるけれども、UV-Aによって破壊された真皮は絶対に戻らないからです。これがたるみの原因になります。なので日焼けは必ず注意してください。
② たばこ
そもそもタバコには3大有害物質(ニコチン・タール・一酸化炭素)を含んでいて真皮や血管を攻撃します。タバコの影響が大きく出るのが肌なんですね。タバコを吸っている人だったらわかると思うんですけど、タバコを吸うと手足がキューっと縮まってひんやりしてくる、これは毛細血管が縮まるから起こるわけなんですが、皮膚というのは人体最大の臓器、最大の血流が送られている臓器ですので、タバコによって日常的にキュッキュッと血流が遮断されると体の隅々に栄養が届かなくなります。活性酸素も大量発生してコラーゲンやエラスチンの生成が低下し真皮部分がどんどん死んでしまいます。タバコはストレス解消法に吸うという人は多くいらっしゃると思うんですけど、百害あって一利なし。先程のUV-Aと同じですね。なので、タバコはダメです。
③ ストレス
ストレスも「びっくりした!」と体が反応するものなのでタバコと同じように手足が縮まります。活性酸素を発生させるとこれは細胞毒性が非常にありますのでタバコとストレスはセットと覚えておいてください。常に皮膚にストレスを与え続けているようなものです。
④ 表情筋マッサージ・表情筋運動
たるみケアの1つとしてマッサージは有効ですが、間違った方法でやり続けるのはむしろ逆効果です。表情筋をトレーニングして表情筋を吊り上げるというものが出回っていますが、表情筋とは体と違って鍛えられるものではないんですよね。絶対ダメ。美容業界の常識の真逆です。熱心に表情筋トレーニングを続けた場合たるみは悪化します。もちろん鍛えられる表情筋はあります。咬筋(こうきん)と呼ばれる奥歯をギュッとかみしめた時に出てくるエラの筋肉だけ。ただし通常の表情筋は鍛えられません。その理由としては、人間の筋肉は2つあって随意筋と不随意筋というものがあります。随意筋は自分の意志で動かすことが出来る筋肉、腹筋してお腹を割るとか二の腕をマッチョにするとか物を噛んでエラが張るような筋肉です。不随意筋は自分の意志で動かすことができない筋肉、心臓を動かしている筋肉や内臓や血管の壁に存在している筋肉、眼輪筋や一部の表情筋、瞳孔など。血管の筋肉もそうなんですが、このような筋肉は鍛えられません。では表情筋がどちらの筋肉に属するのか?表情筋は随意筋30%、不随意筋70%です。目を瞬きするというのも、例えば目に虫が入ってきそうになったとして自分の意志とは関係なく目を反射的に閉じると思うんですけど、そういうものは基本的には鍛えられません。よく目は口ほどにものを言うって言いますが、自分の心とは裏腹に表情に出てしまうことはあると思うんですよね。これは不随意筋が大半だからです。ただ顔面マッサージや表情筋トレーニングがすべてダメということではなく正しいトレーニングだったら良いんですが、間違ったトレーニングをやってしまうと返ってシワが増えたりたるみの原因になるので間違ったものはやらないでください。表情筋を自然な形で笑ったり泣いたり表情を豊かにして楽しく生きる人生が素晴らしいと思います。鏡の前で「あーうーいー」とかやるのではなく。
⑤ 無理なダイエット
年を取ってくると顔がこけてくるとか太っている人のほうが肌にハリがあり若々しく見えるということがあると思います。体重を一定に保つダイエットは良いのですが、無理なダイエットはやめてください。無理なダイエットをやると必ずリバウンドします。皮膚というのは太ったり痩せたりすると必ずたるんでいきます。風船をイメージすると分かりやすいのですがパンパンになった風船から空気を抜くとシワしわになってたるみますよね。顔でも同じ現象が起こります。パーンと張って、痩せて、チリツモで必ずたるみの原因になるので無理なダイエットは避けてください。
【まとめ】
① 日焼け
② タバコ
③ 何かを思い悩むストレス
④ 表情筋トレーニングやマッサージ
⑤ 無理なダイエット
予防ができるものがあったら、どんどん取り入れていきましょう。常にこの5つを避ける。健康的な生活をするということは顔のたるみを減らすことに繋がりますので参考にしてみてください。
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