眼瞼下垂

眼瞼下垂セルフチェック!まぶたが下がると危険?放置するリスクとは

「最近、目が開けにくい」「なんだか眠そうに見られる」「夕方になると頭痛や肩こりがひどくなる」――もしこのような悩みを抱えているなら、それは眼瞼下垂(がんけんかすい)のサインかもしれません。

眼瞼下垂は、まぶたが十分に上がらず、瞳の一部が隠れてしまう状態のことです。
単に見た目の問題だけでなく、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。

この記事では、眼瞼下垂の症状や原因、診断、そして治療法から予防策まで幅広く解説します。悩みの解消と、より快適な毎日を送るためのヒントとしてお役立てください。

眼瞼下垂とは? 症状と生活への影響

眼瞼下垂とは、顔を正面に向けた際に上まぶたが十分に持ち上がらず、瞳孔(黒目の中心)の一部が隠れてしまっている状態を指します。この状態は、見た目の印象だけでなく、視機能や全身の健康にも様々な影響を及ぼす可能性があると言われています。

主な症状と悩み

眼瞼下垂の症状は人によって様々ですが、主に以下のような症状を感じやすい傾向があります。

  • まぶたが重い、目が開けにくい
    • 朝起きた時や、特に夕方になるとまぶたの重さを強く感じ、目を開けるのが億劫になることがあります。
  • 視野が狭くなる(特に上方)
    • まぶたが瞳孔を覆うことで、上方向の視野が遮られ、物が見えにくくなる場合があります。信号や階段の足元が見えにくいなど、生活上のリスクにつながることも考えられます。
  • 頭痛、肩こり、眼精疲労
    • 下がったまぶたを無理に開けようとして、おでこの筋肉(前頭筋)を過剰に使ったり、顎を上げて物を見たりする癖がつくことがあります。これにより首や肩に負担がかかり、慢性的な頭痛や肩こり、眼精疲労の一因となる可能性があります。
  • 眠そうな印象、老けて見える
    • まぶたが下がっていると、周囲から「いつも眠そう」「疲れている」といった印象を持たれることがあります。また、おでこのシワが増えることで、実年齢よりも上に見られるケースもあるようです。
  • 目の大きさの左右差
    • 片側だけ症状が出る場合、左右の目の開き具合に差が生じ、顔全体のバランスが崩れて見えることがあります。
  • その他のトラブル
    • まぶたの皮膚がたるんでまつげが内側に入る(睫毛内反)ことで痛みを感じたり、まぶたの開閉不全によって目の乾燥(ドライアイ)を感じやすくなったりすることも考えられます。

これらの症状は、読書やパソコン作業の辛さ、運転への不安など、生活の質(QOL)に影響を与える可能性があります。

眼瞼下垂のセルフチェック

ご自身が眼瞼下垂かどうか気になる方は、以下の項目をチェックしてみてください。これらに複数当てはまる場合は、眼瞼下垂の可能性があります。

  • 鏡を見たとき、まぶたが黒目の一部を覆っている。
  • おでこに力を入れずに目を開けたとき、眉毛が上がってしまう。
  • 上を見上げたときに、まぶたが十分に上がらず、視野が狭く感じる。
  • 人から「眠そう」「疲れている」と言われることが多い。
  • 慢性的な頭痛や肩こりに悩まされている。
  • ハードコンタクトレンズを長期間使用している。
  • 目をこする癖がある。

※これらはあくまで目安ですので、気になる症状がある場合は専門医の診察を受けることをお勧めします。

眼瞼下垂の多様な原因と種類

眼瞼下垂は、発症時期や原因によっていくつかのタイプに分類されます。原因を正しく理解することは、適切な対処法を見つけるために大切です。

1. 先天性眼瞼下垂

生まれつきまぶたが下がっている状態です。上まぶたを持ち上げる筋肉(上眼瞼挙筋)の発達不全や、筋肉自体の欠損などが主な原因と考えられています。

  • 特徴: 約80%が片側性と言われ、出生直後から確認できることが多いです。視力の発達に影響する「弱視」や「斜視」の原因になる可能性もあるため、早めの眼科受診が推奨されます。
  • 治療: 筋肉の機能が弱いケースが多いため、手術が選択肢の一つとなります。

2. 後天性眼瞼下垂

もともとは問題なかったものの、成長してからまぶたが下がってきた状態で、最も多く見られるタイプです。

  • 腱膜性眼瞼下垂(けんまくせい がんけんかすい)
    • 後天性の大部分を占めると言われるタイプです。まぶたを持ち上げる筋肉(上眼瞼挙筋)と、まぶたの縁(瞼板)をつなぐ「挙筋腱膜」が、加齢などで伸びたり外れたりすることで起こると考えられています。
    • 主な原因の可能性:
      • 加齢: 長年のまぶたの開閉による腱膜の劣化・伸展。
      • コンタクトレンズ: 特にハードコンタクトレンズの長期使用による着脱時の負担。
      • 物理的な刺激: 花粉症などで目を頻繁にこする、過度なアイメイクやクレンジングなど。
      • その他: 白内障などの眼科手術後や、長時間のパソコン・スマホ使用による眼精疲労も関与している可能性が指摘されています。
  • その他の後天性眼瞼下垂
    • 神経原性: 動眼神経麻痺やホルネル症候群など、神経の異常によって起こるもの。背景に脳疾患などが隠れている可能性があるため注意が必要です。
    • 筋原性: 重症筋無力症など、筋肉そのものの異常によるもの。
    • 機械性: まぶたの腫瘍やむくみなどの重みで物理的に下がってしまうもの。
    • 医原性: 美容医療などの処置後に生じるもの。

3. 偽眼瞼下垂(ぎがんけんかすい)

一見すると眼瞼下垂のように見えますが、筋肉や神経には問題がない状態を指します。

  • 眼瞼皮膚弛緩症: 加齢でたるんだ皮膚が瞳にかぶさっている状態。
  • 眉毛下垂: 眉毛の位置自体が下がっている状態。
  • 眼瞼痙攣: まぶたの筋肉が勝手に収縮してしまう状態など。

眼瞼下垂の診断と治療アプローチ

診断の流れ

診断は、専門医による問診や視診、検査に基づいて行われるのが一般的です。

  1. 問診: 症状の開始時期、コンタクトレンズの使用歴、既往歴などを確認します。
  2. 視診・触診: まぶたの開き具合やおでこのシワ、皮膚のたるみなどを観察します。
  3. 詳細な検査: 黒目の中心からまぶたまでの距離(MRD-1)や、まぶたを持ち上げる筋肉の機能を測定します。必要に応じて画像検査や薬物テストを行うこともあります。

これらの結果から、眼瞼下垂のタイプや重症度を判断し、適切な治療方針を検討します。

治療の選択肢:手術と非手術

治療法は原因や症状の程度によりますが、根本的な改善には手術が有効とされるケースが多いです。

1. 手術による治療

まぶたを適切に持ち上げ、視野の確保や付随症状の軽減を目指します。

  • 挙筋前転術 / 挙筋短縮術: 腱膜性眼瞼下垂などで一般的に行われる方法です。緩んだ腱膜を固定し直すことで改善を図ります。
  • 前頭筋吊り上げ術: 筋肉の機能が著しく弱い場合に、おでこの力を使ってまぶたを上げる方法です。
  • 皮膚切除術: たるんだ皮膚を切除する方法で、主に皮膚のたるみが原因の場合に検討されます。

【保険適用について】 視野障害や機能的な問題(頭痛・肩こり等)があり、日常生活に支障がある場合は、保険適用となるケースが多い傾向にあります。一方で、美容的な目的(二重の幅を広げたい等)のみの場合は自由診療となるのが一般的です。詳細は受診する医療機関で確認しましょう。

2. 非手術的アプローチ

すべてのケースで手術が必要なわけではありません。

  • 基礎疾患の治療: 他の病気が原因の場合は、その治療を優先します。
  • 点眼薬: 一時的な緩和のために使用されることがあります。
  • トレーニング: 予防や術後のリハビリとして行われることがありますが、進行した眼瞼下垂を根本的に治すことは難しいという見方が一般的です。

日常生活での予防と注意点

特に後天性の眼瞼下垂は、日々の習慣を見直すことで予防や進行抑制が期待できると言われています。

1. まぶたへの負担を減らす

  • 目をこすらない: かゆみがあるときは点眼薬などを使い、物理的な刺激を避けましょう。
  • コンタクトレンズの扱い: 着脱時は優しく行い、眼鏡との併用やソフトレンズへの変更も検討してみてください。
  • メイク・クレンジング: まぶたを強くこすらないよう、優しくケアすることが大切です。

2. 目を休める習慣

  • デジタルデバイスの使用: 長時間の作業時はこまめに休憩を取り、目を休めましょう。
  • 睡眠とストレス管理: 睡眠不足やストレスは自律神経や筋肉に影響を与える可能性があるため、リラックスできる時間を大切にしてください。

3. 予防トレーニング(補助として)

眼瞼挙筋の衰えを防ぐためのトレーニングが推奨されることもあります。 (例:おでこを動かさないように手で押さえ、大きく目を見開いてキープする等) ただし、無理に行うとかえって負担になる場合もあるため、医師の指導のもとで行うのが安心です。

まとめ:機能回復と美しさ、両方を叶えるために

眼瞼下垂は、視界の悪さや頭痛・肩こりといった「身体の不調」だけでなく、「眠そうに見える」「老けて見える」といった「見た目のお悩み」にも深く関わる症状につながる可能性もあると言われています。
だからこそ、治療においては「見えやすさ(機能面)」の改善はもちろん、「自然で美しいお目元(審美面)」を実現することが非常に重要だと私たちは考えています。

Leap beauty clinicでは、ただ単にまぶたを引き上げるだけの治療は行いません。 患者様お一人おひとりのまぶたの状態や皮膚の厚み、そしてお顔全体のバランスを丁寧に見極め、あなた本来の魅力を引き出す最適な治療プランをご提案いたします。

「手術が必要なのかわからない」「自分に合った方法を知りたい」「傷跡やダウンタイムが心配」……そんな不安をお持ちの方も、まずは一度カウンセリングにお越しください。専門医があなたのお悩みにとことん寄り添い、解決への糸口を一緒に探します。

重いまぶたのストレスから解放され、健やかで明るい視界と、自信あふれる笑顔を取り戻すために。Leap beauty clinicが全力でサポートいたします。

監修ドクター

土門駿也統括院長

監修ドクター

土門駿也統括院長

2014年に日本医科大学を卒業後、4年ほど総合病院に勤務。
その後、東京中央美容外科の川口院、高田馬場院、浜松院で院長を務め、Leap beauty clinicを開院。

「医療とは患者様のQOL(生活の質)を100点に近づけることである」という医療観のもと、クマとり・二重埋没・脂肪吸引の施術を行う。

クマとり5,000件以上、二重・目元手術20,000件以上、脂肪吸引1,000件以上の施術実績。

土門駿也統括院長の詳しい経歴はこちら »