TCAクロス(ニキビ跡のへこみ治療)
美容皮膚科
目次
TCAクロスはこのような方におすすめ
- 2㎜くらいの小さな深いニキビ跡に(アイスピック型)
- 4~5mmくらいまでの浅く平坦に凹んだニキビ跡に(ボックスカー型)
- みずぼうそうの凹み跡に
- フラクショナルレーザーなどではダウンタイムが難しく、ピンポイントで治療したい方
- ダーマペンやレーザー治療で改善が見られない方
- クレーターをピンポイントでなくしたい
TCAクロスとは
症状に合わせて50~80%の高濃度のピーリング剤であるトリクロロ酢酸(TCA)を肌に塗布し、ニキビ跡を改善する治療です。TCAの力で皮膚にダメージを与えて、新しい皮膚を作り直し皮膚のへこみをピンポイントに浅くしていきます。
特にアイスピック型の深いニキビ跡や小型のボックスカー型、浅く平坦に凹んだクレーター状のニキビ跡に適しています。また、みずぼうそうのへこんだ跡にも適しています。
アイスピック型のニキビ跡は、ダーマペンやレーザー治療も効きにくいニキビ跡になりますので、うまくTCAクロスを併用することでより満足度の高いニキビ跡治療ができます。
TCAクロスの施術方法
極細の針や綿棒でTCAを凹凸に局所的に塗布するため、肌全体には影響を与えず、特定部分に集中して治療を行います。
TCAピーリングとの違い
TCAクロス
- 効果:特に深いクレーター型のニキビ跡に対して効果的。ピンポイントで強い効果を発揮し、凹凸を改善することが可能です。
- ダウンタイム:約1〜2週間程度(かさぶたが形成され、自然に消えるまでの期間)。ダウンタイムはやや長い。
- 回数:通常2〜5回程度の施術が必要。 凹凸の深さや個人の回復力によって異なります。
TCAピーリング
- 効果:肌全体のトーンアップや質感の改善、軽さのシワ、毛穴の改善、軽いニキビ跡などに効果的。
- ダウンタイム: 数日〜1週間程度。皮膚が剥離して新しい肌が出てくるまで赤みや乾燥が起こります。
- 回数:1回の施術でも効果が感じられる場合がありますが、回数の施術を繰り返すことでより高い効果が得られます。
- TCAクロスが向いている人
- 深いクレーター型のニキビ跡や局所的な凹凸に悩んでいる人。
- 他の治療法で効果が出るようになった、深い肌のダメージを持つ人。
- TCAピーリングが向いている人
- 顔全体の肌質改善やトーンアップ、浅いニキビ跡やしわの改善を目指している人。
- ダウンタイムを短く抑えたいが、一定の肌改善を求める人。
TCAクロスの施術の流れ
カウンセリング
- 施術前に医師とのカウンセリングが行います。肌の状態やニキビ跡の種類を確認し、治療方針を決定します。
肌の準備
- 施術前に、メイクや汚れを落とし、肌を清潔にします。必要に応じて、麻酔クリームを塗布して痛みを軽減します。
TCAの塗布
- トリクロロ酢酸(TCA)をニキビ跡に直接塗布します。通常、凹んだ部分に重点的に行われます。
反応の観察
- TCAが作用するのを待ちながら、肌の反応を観察します。施術時間は通常10~30分程度です。
中和とアフターケア
- TCAの効果が出たら、肌を中和する処置を行い、その後、アフターケアの指導をいたします。
経過観察
- 施術後は、数日間の経過観察が必要です。赤みや腫れが出ることがありますが、通常は数日以内に収まります。
次回の施術
- 効果を見ながら、必要に応じて複数回施術を行います。
TCAクロスの回数や頻度
施術間隔や施術回数については、肌や患部の状態によって個人差があります。ニキビ跡のへこみについて目安となる施術間隔は1か月ごとです。施術回数については1回の施術で効果を実感できる方もいますが、基本的には1回の施術だけで肌状態を改善することは難しく、3~5回の治療が必要です。
TCAクロスと相性の良い実施
レーザー治療(フラクショナルレーザーなど)
- TCAクロス後の皮膚の再生を助け、より均一な肌の質感を促進します。 レーザーによる皮膚のターンオーバー促進とTCAクロスによる深部の治療が相乗効果を発揮します。
ダーマペンやマイクロニードリング
- 微細な針を使って肌に小さな穴だけでコラーゲン生成を促し、TCAクロス後の凹凸の改善をします。TCAクロスと併用するサポートで、効果的に皮膚の再生を進めます。
PRP療法(多血小板血漿療法)
- 血液から得られた血小板を肌に注入することで、肌の修復や再生を促進します。TCAクロス後の肌回復を早め、より良い結果が期待できます。
ピーリング(AHA/BHA)
- TCAクロスによる深い治療と、浅いピーリングを軽減することで、肌全体の質感が改善され、肌のターンオーバーを助けます。
IPL(光治療)
- TCAクロスによる治療後、赤みや色素沈着を軽減するために使用されることがあります。
TCAクロスと他の治療の違い
治療法 | 効果のターゲット | 主な仕組み | ダウンタイム | 施術回数 | いいね | ライン |
---|---|---|---|---|---|---|
TCAクロス | 深いクレーター型のニキビ跡 | 高濃度TCAを凹凸に直接塗布して皮膚再生を呈する | 約1週間(かさぶた形成) | 2~5回(間隔を空ける) | ピンポイントで強力な治療が可能 | ダウンタイムが長く、紫外線対策が必須 |
フラクショナルレーザー | 浅い~中程度の凹凸、肌全体の質感 | レーザーで微小な穴がなく、コラーゲン生成を伸ばす | 3~7日間 | 3~5回 | 多くを均一に治療可能 | 何回か施術が必要 |
ダーマペン | 浅い凹凸、肌の質感改善 | 微細な針で皮膚に小さな傷をつけて再生を指す | 2~5日(軽い赤み) | 4~6回 | ダウンタイムが短く、顔全体の施術が可能 | 深いニキビ跡には効果が限定的 |
サブシジョン | 繊維性の癒着が原因の深いクレーター型ニキビ跡 | 癒着を切って凹凸を平らにする | 1週間(内出血・腫れ) | 1~3回 | 深いニキビ跡に効果的で、即効性がある | 内出血や腫れが起こることが多い |
ケミカルピーリング | 浅いニキビ跡、くすみ、肌の質感改善 | AHA/BHAで古い角質を剥がし、ターンオーバー促進 | 2~3日(軽い赤みや乾燥) | 定期的な施術が必要 | 肌全体の質感改善に有効、ダウンタイムが短い | 不向き |
PRP療法 | 肌の修復と再生促進 | 自分の血液から採取した血小板を注入し再生を促進する | 2~5日(軽い腫れ・赤み) | 3~4回 | 自然な再生力で安全、他治療と併用可能 | 独自では深い凹凸への効果が限定的 |
TCAクロスの注意点
かさぶたを無理に剥がさないこと
- 施術後に形成されるかさぶたは、自然に消えるまで待つ必要があります。無理に剥がしたり、傷跡が残ったり、色素沈着が起こる可能性があります。
紫外線対策の徹底
- TCAクロス後の肌は非常に敏感で、紫外線によるダメージを受けやすくなります。施術後しばらくは外出時に日焼け止めを必ず使用し、帽子やサングラスで物理的に紫外線を行うことが重要です。避けなければ、色素沈着のリスクがございます。
保湿ケアを徹底する
- 施術後の肌は乾燥しやすいため、保湿が重要です。医師から指示された保湿クリームやスキンケアアイテムを使用し、肌を守りながら回復を心がけましょう。
刺激の化粧品や治療を気にする
- 施術後、数週間は刺激の強いスキンケア製品や、他のピーリングやレーザー治療を避けることが必要です。肌が完全に回復するまで、刺激を極力避けることが大切です。
感染症に注意
かさぶたが形成されている期間中、感染症を気にするために清潔を保つことが必要です。汚れた手で触れることや、摩擦などを避けてください。