ボトックス注射

ボトックスとは、ボツリヌス菌から抽出されたタンパク質の一種である「ボツリヌストキシン」を筋肉に注射する施術です。
ボツリヌストキシンは、神経の伝達物質であるアセチルコリンの放出を抑制し、筋肉の動きを一時的に麻痺させる特徴があります。
「表情ジワ」のような筋肉によって起こるシワを目立たなくする効果があります。他にも「発達したエラやふくらはぎ」を無くしスッキリさせたり、ワキや手足の平の皮膚にボトックス注射を打って汗の分泌を抑制したりと、シワ取り以外にも様々な効果が知られています。

シワ取り注射として知られている他の治療法にヒアルロン酸注射がありますが、こちらはほうれい線やまぶたのくぼみのような無表情の時に見られるシワに効果がある施術です。ボトックス注射は、笑った時に出る目尻のシワや、眉を上げたり寄せたりしたときに出る額や眉間のシワなど、表情や顔の動きによるシワに効果を発揮します。

ボトックス注射について

ボトックスには、神経の働きを弱め、筋肉の働きを抑制する効果があります。ボトックスを注射することにより、表情によってできるシワを目立たなくする効果や、汗を抑える効果が期待できます。

ボトックスを注射すると、2～3日後にはその効果が実感できるようになり、2週間ほどでピークになります。効果はそのまま3～5カ月程続き、その後は数週間かけて徐々に薄れてきます。（個人差があります。）

このような方におすすめ

• 表情を動かしたときにできるシワが気になる
• エラの張った顔を小顔にしたい
• 肩凝りを改善したい
• ふくらはぎをスッキリさせたい
• 汗の量を抑えたい

ボトックス注射の主な対象部位

シワ治療・若返り

ボトックスをを気になるシワの部位へ注入することで、その部分の筋肉をリラックスさせ、表情筋の動きを弱めシワを目立たなくさせます。

老け顔の原因となる眉間やおでこ、目尻などのシワは表情ジワとも呼ばれ、表情をつくる筋肉を長年動かすことで、その筋肉は同じような緊張を繰り返しているため、だんだんと歳を重ねるごとに増えたり、深くなったりしていきます。皮膚にしっかり刻み込まれたシワ改善はヒアルロン酸注入が効果的です。

エラ・小顔効果

咬筋（こうきん：エラのあたりにある筋肉）の部位へ注入することで、その部分の発達した咬筋をリラックスさせ無駄な張りをなくし、小顔効果が期待できます。

咬筋は何かを咬むときに使われる筋肉です。食事の時にものを噛んだり、歯を噛みしめたりしているのは、咬筋の働きによるものです。普段から歯ぎしりをしたり、歯を食いしばるような動作をしたりする方は、咬筋が発達してエラが張ったようなフェイスラインになります。この部分の筋肉にボトックスを注射することで、発達した咬筋をリラックスさせ無駄な張りをなくし、小顔効果が期待できます。（※エラの骨が張り出している方はボトックスの効果は期待できません。）

肩こり改善

肩の筋肉にボトックス注射をすると、筋肉がリラックスし小さくなることで肩こりを和らげ、首から肩にかけてのラインがスッキリし、首を長く見せることができるため、小顔効果が期待できます。咬筋への注射と合わせることで、より一層小顔効果が生まれるため、注目されています。

スマホやパソコンに向かうことが多くなった現代人に多いのが首こりや肩こり、背中の張りです。肩や首の筋肉が強く緊張した時間が長くなると、筋肉が発達して首は太く、肩のラインがゴツゴツして見えたり、肩が盛り上がって見えてしまい、肩全体のボリュームも大きく見えてしまいます。この部分の筋肉にボトックスを注射することで、肩や首のこりや背中の張りの緩和が期待できます。また、首から肩にかけてのラインがスッキリし、首を長く見せるという効果も期待できるので、結婚式の前や大事なパーティなどの前に肩ボトックスの注射の施術を受ける方も多くいらっしゃいます。

ふくらはぎ

ふくらはぎの筋肉（腓腹筋）にボトックスを注入することにより、ふくらはぎを全体的にスッキリとさせ、綺麗なラインを作る効果が期待できます。

筋肉の発達によりふくらはぎが太く、ししゃものようにポッコリと張り出している方にお勧めの施術です。ふくらはぎのライン（カーブの形や太さ）は、骨・筋肉・脂肪の3つが影響しています。筋肉は脂肪よりも落とすことが難しいため、筋肉が発達して張り出している部分は、ダイエットによるスタイルアップ効果が高くありません。そのため、ふくらはぎの筋肉（腓腹筋）にボトックス注射をすることで張りを抑え、女性らしいほっそりとしたふくらはぎへのスタイルアップが期待できます。

汗止め

脇や手のひら、足裏など汗をかく部位にボトックス注射をすることにより、60％ほどの発汗を抑える効果があります。ボトックスには「神経の働きを弱める」という効き目もあり、この効果を生かして汗を抑える治療として使用されます。

汗は、皮膚にある汗腺から分泌されてきます。汗腺には、比較的深いところにある「アポクリン腺」と、比較的浅いところにある「エクリン腺」があります。
「アポクリン腺」は、脇・耳の中・乳輪・陰部などにあり、ベタベタした汗を出します。一方の「エクリン腺」はほぼ全身にありますが、サラサラとした水のような汗を出します。
多汗症は主に、「エクリン腺」からの汗の分泌が多いことが原因です。しかし、同じ脇でもワキガは主に2種類の汗（エクリン腺からの汗と、アポクリン腺からの汗）、さらに皮膚の表面にある脂肪や、空気中の雑菌がまじりあうことで、嫌なにおいを出すようになります。
汗が気になる部分にボトックス注射をすると、脳から汗腺への命令が伝わりにくくなるため、体の外へ出てくる汗が少なくなり、多汗症やワキガの軽減が期待できます。

ガミースマイル・口角・人中短縮・顎

口元の周りにある筋肉の動きを弱めることにより、口周りの見た目の印象を変化させます。

ガミースマイル：笑った時に唇を引き上げる筋肉を弱める
口角：口角を下げる筋肉を弱めて口角を上げる
人中短縮：上唇の筋肉を緩めて人中を短く見せる
顎：オトガイ筋を緩めて梅干しジワの改善をする

ボトックス注射の製剤の種類

BOTOX　VISTA®

ボトックスビスタは米国アラガン社が製造販売する世界で最も使用されているボツリヌストキシン製剤です。
国内唯一、厚生労働省にも認可されており、輸送環境、保存環境など厳しく管理された高品質製剤で、安心・安全です。
効果持続期間も長く（4～5カ月）、体が抗体を作ってしまう可能性を軽減します。

ボツラックス

ボツラックスは、A型ボツリヌストキシンを有効成分としたボトックス製剤です。
韓国のヒューゲル社が開発・製造しており、KFDAという韓国食品医薬品安全庁から認可を受けています。
アラガン社から販売されている「ボトックスビスタ」のジェネリック医薬品（後発医薬品）にあたるため、ボトックスビスタよりも費用を抑えてボトックス施術を受けることが可能です。

ボトックス注射の施術の流れ

カウンセリング・診察

施術前に医師とカウンセリングを行い、皮膚や筋肉の状態を確認いたします。
患者様お一人おひとりの悩みに合わせて、ボトックス注射の注入箇所や適切な量をご提案させていただきます。カウンセリング・診察は無料となっております。カウンセリングのみも可能ですのでお気軽にご相談ください。

洗顔

ご希望があれば施術前にメイクを落としていただくことも可能です。洗顔をしない場合、患部を拭き取ってから施術となります。

写真撮影

施術前に写真撮影を行います。写真はカルテに保存するために撮影いたします。また、モニターの方はWEBサイトやSNSに掲載するための写真を同時に撮影いたします。

施術

クーリングをした後に、注射をしていきます。麻酔無しでも受けていただくことは可能ですが、部位によってはお痛みを強く感じやすい部位もございます。痛みがご不安な患者様には、ご希望に応じて表面麻酔・笑気麻酔・極細針をご用意しております。

ボトックス注射の施術について

治療時間	5～10分程度
通院	なし
麻酔	なし ※ご希望により表面麻酔・笑気麻酔・極細針もご用意しております。
腫れ・痛み・内出血	・治療後、注入部に発赤、腫れ、箇所によっては重く感じることがあります。 ・内出血や鈍痛が現れることがありますが、時間の経過とともに警戒します。
メイク	当日から可能ですが、注入部を強く擦ったりしないようにしてください。
洗顔・入浴	・当日の洗顔は可能ですが、強く擦ったり触ったりしないでください。 ・入浴は長湯を避けて当日から可能です。
運動	激しい運動は翌日以降に行ってください。
施術部位への刺激	当日は注入部への刺激はお控えください。
リスク・副作用	・汗抑制の場合、完全に汗を抑えることは不可能 ・鼻下の場合、鼻下の弛緩、延長感、口すぼめ困難 ・咬筋の場合、咀嚼の困難感 ・額・眉間の場合、頭痛、頭重感、軽度の眼瞼下垂、外側眉毛挙上 ・ふくらはぎの場合、脚力の運動能力低下、脱力感
禁忌	・A型ボツリヌス毒素にアレルギーのある方 ・妊娠中、授乳中の方 ・全身性の神経筋縫合部の障害を持つ方、透析中の方、G6PD欠損症の方 上記に当てはまる方は施術をお受けできません。あらかじめご了承ください。
その他	・ボトックス自体が熱に弱いため、施術後1週間程は、過度な飲酒・サウナ・岩盤浴・長風呂・激しい運動など体温を急激に上げてしまう行為は避けてください。 ・施術後、女性の場合は2ヶ月間、男性の場合は3ヶ月間、避妊をお願いしております。

ボトックス注射のよくある質問

ボトックス注射は施術後すぐ効果を実感できますか？

いいえ。ボトックスは施術後すぐに目に見えた効果を実感することはできません。個人差がありますが施術後数日から1ヵ月程度を経て、効果を実感いただくことが多くなっています。

ボトックス注射のダウンタイムや術後の経過はどうですか？

ボトックス注射ダウンタイムには個人差があります。ボトックスの注射部分に発赤や腫れ、内出血や鈍痛などの症状が起こる場合もあります。ですが、ほとんどの場合、時間の経過とともに軽快していきますのでご安心ください。

ボトックス注射時の痛みはどれくらいですか？

ボトックス注射の施術は、針の注入部位を冷やしてから行っていきますが、注入部位によってはお痛みを強く感じる部位もございます。ご希望により、笑気麻酔や表面麻酔、極細針などの併用も可能です。

エラボトックスをやりすぎると皮膚がたるむと聞きました。

エラボトックス注射は、咬筋の収縮を抑える働きがあり、時間とともに筋肉の厚みが減っていき、エラが小さくなります。そのため、皮膚が余ってしまいたるみができる可能性があります。当クリニックでは、エラボトックスの術後に後悔しないよう、術前にしっかりカウンセリングをさせていただき、注入量などをご提案させていただきますので安心して施術をお受けできます。

結婚式前に肩ボトックスを受けたいのですが、いつ頃受けるのがいいですか？

治療から1ヵ月程度で、肩がスッキリとすることを実感される患者様が多いことから、肩ボトックス注射を結婚式などのイベントの前に受けられる場合には、1～2ヶ月前の治療がオススメです。

ふくらはぎボトックス後は歩けないですか？

ふくらはぎボトックスは、基本的には日常生活には差し支えありません。しかし、かかとの上げ下げがしづらくなることがあり、慣れないうちは歩いたときに疲れやすくなる場合がございます。経過とともに、症状は軽快していきますのでご安心ください。